公開日: 更新日:

「飛び猫」五十嵐健太著

 猫の肉球や丸まって眠る姿だけを集めたものなど、猫の写真集はバラエティーに富んだものが多いが、本書はとくにユニークな“猫が飛ぶ瞬間”をとらえた写真集。日本各地の離島で暮らす猫たちの、船から船へ、防波堤から防波堤へとジャンプする姿が切り取られている。

 猫が空中を飛んでいる時間は非常に短く動きも速く、しかもいつ飛ぶかは猫本人にしか分からない。ピントを合わせてブレないように撮影するには、とてつもない根気がいるはずだ。しかしその甲斐あって、まるで猫たちが空中でストップしているかのような不思議な写真に仕上がっている。

 冬の青空をバックに防波堤を飛び移っていくキジトラ模様の猫は、キリリとした表情が印象的。後ろで眠そうに見守る茶トラ2匹との対比が面白い。

 夕暮れ時、船から桟橋へ向かう茶シロの猫は、凪いだ水面にジャンプする姿が映り、逆さ富士ならぬ“逆さ猫”のようだ。猫の新たな魅力が発見できること間違いない。(KADOKAWA 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる