老後を考える本特集
「『貧乏老後』に泣く人、『安心老後』で笑う人」横山光昭著
日本人の平均寿命は男女とも80歳以上。60歳定年で仕事をやめたあと、20年以上の時間があるわけだ。老後資金を準備したつもりでも、孫の教育費をねだられたり、銀行や証券会社などプロの顔をして忍び寄る勧誘によって退職金を使ってしまったり、老後資金が目減りしてしまうケースも多い。
そうならないための処方箋を本書は紹介する。まず50代の人は、月に1万円貯金。10年で120万円の蓄えが将来を助ける。しかも家計の規模縮小によって、支出抑制のトレーニングにもなる。60代の人には、マイカーを手放す、保険や食費の見直しとともに、少しでもお金を稼ぐことを提案する。
かつては60歳でもらえた公的年金は65歳からになり、今後は68歳、70歳と遅くなる可能性もある。
企業年金がある人なら、一括でもらうか年金形式か悩む余地があるが、自営業の国民年金はそもそも年金額が低い。要は「なるべく貯蓄を減らさないように働き続ける」に尽きるようだ。(PHP研究所 640円+税)