「龍眼 争奪戦」佐々木裕一著
吉宗から幻の秘宝「龍眼」を盗み出した元御庭番の伝兵衛は、逃走中に記憶を失い、飛騨高山で出会ったおすぎにかくまわれる。命を狙われる伝兵衛は、おすぎの甥・幸村によって伏見稲荷大社の門前にある国豊寺へと移った。国豊寺は、人助けの寺として知られていた。ある日、檀家の辰吉が和尚の幸秀を頼って寺を訪ねてくる。聞くと、娘のおこんが祇園の「木暮」に行ったまま戻らないという。木暮は、男が女客を接待する甘味処で、辰吉が談判に行くと法外な金額を請求され、支払うまで娘は返さないといわれたらしい。幸秀が金を用立て、幸村は辰吉に付き添って木暮に向かう。(「騙された女」)
「隠れ御庭番」シリーズ最新刊。
(祥伝社 620円+税)