「洋食 セーヌ軒」神吉拓郎著

公開日: 更新日:

「うまい牡蠣フライが食いたいなぁ」

 同僚とこんな話になったら、何軒の店が頭に浮かぶだろう。今夜、行こうなどとなったら、仕事が手につかないのでは?

 本書は直木賞作家が描いた料理を題材にした短編小説集。全17編に鱒、鰻、オムレツ、天ぷらなど、それぞれのメニューがキャストとして登場する。表題作「セーヌ軒」は、うまい牡蠣フライが食べたくなった主人公が、以前暮らした街の洋食屋に10年ぶりに足を向ける……。

 男と女、旧友同士ら登場人物の会話は軽妙で“大人の味”がたっぷり。読み進むそばから食べに行きたくなるような誘惑がちりばめられている。(光文社 700円+税)


【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる