「たまちゃんのおつかい便」森沢明夫著

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 2年前から大学進学のために都会暮らしをしていた「たまちゃん」こと、葉山珠美は、意味を見いだすことができなくなった大学生活に見切りをつけて故郷に戻ってきた。足腰が弱り、車にも乗れない故郷のお年寄りが買い物に困っていることを知り、買い物弱者を救うべく移動販売という商売を起業しようと思い立ったのだ。

 力になってくれたのは、地元に残って父親の自動車整備の仕事を継いでいた同級生の常田壮介と、一度都会に働きに出たものの戻ってきて引きこもり生活をしていた松山真紀。真紀が車のデザインやチラシなどを作り、壮介が真紀のデザイン通りに車を仕上げ、いよいよ「たまちゃんのおつかい便」がスタートしたのだが……。

「ライアの祈り」や「夏美のホタル」など、数多くの映画化作品を持つ著者による最新作。祖母やお年寄りに喜ばれたい一心で移動販売業を始めた若き女性の挑戦と、彼女を応援する友人や家族との人間模様を温かく描いている。(実業之日本社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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