「あらゆる病気は歩くだけで治る!」青栁幸利著

公開日: 更新日:

 東京都健康長寿医療センター研究所で、身体活動と病気予防に関する研究を続けてきた著者。5000人を対象とした17年間の調査で導き出した健康長寿を手に入れる歩き方の黄金律が、1日「8000歩・早歩き20分」だという。

“健康にいいのは1日1万歩”というスローガンには、実は根拠がない。高度経済成長期に、生活習慣病を患う成人男性の摂取カロリーが平均値より300キロカロリー多かったことから、これを消費できる運動量=1日1万歩といわれるようになった。しかし、年齢や性別、体重による消費カロリーの差は考慮されておらず、また“歩き方”についても触れられていない点が問題だと本書。だらだらと歩いても運動効果は低いし、逆に早く歩き過ぎると関節や骨に悪影響を及ぼしかえって逆効果になるためだ。

 そこで「8000歩・早歩き20分」だ。全体的な運動量は8000歩で十分。ただしそのうち、20分は早歩き、つまり“中強度”と呼ばれる運動強度を取り入れるのがいい。これを2カ月以上続けることで、高血圧糖尿病脂質異常症の発症率が下がることが分かっているという。自分にとっての中強度の早歩きの目安は、3分歩いても何とか会話ができること。ちなみに、3分経ってもまったく息が上がらず鼻歌が歌える程度は“低強度”、まったく会話ができない場合は“高強度”の運動と見なすことができるという。

 通勤途中にも取り入れることができる、歩くだけの健康法。実践しない手はない。

(SBクリエイティブ 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    薬物疑惑浮上の広末涼子は“過剰摂取”だったのか…危なっかしい言動と錯乱状態のトリガー

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  3. 8

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 9

    松田聖子は雑誌記事数32年間1位…誰にも負けない話題性と、揺るがぬトップの理由

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ