「男のララバイ」原荘介著
ギターの弾き語りをしている著者は42歳のとき、にっぽん丸で開催された洋上レジャー大学でギターの講師をした際、作曲家の中村八大と知り合いになった。その後、一緒にヨーロッパに行ったとき、パリのホテルでコンサートをやることに。
著者が「スターダスト」を弾いた後に中村のピアノが入る予定だったのに、ステージに中村がいない! 他の者が捜しに行ったら、中村は自室でイギリスのテレビ番組を見ていた。フランスとは1時間時差があるので、画面に表示されている時刻を見てまだ大丈夫と思っていたという。
ほかに森繁久弥、川内康範ら、著者に大きな影響を与えた人たちのエピソードをつづったエッセー。(藤原書店 2800円+税)