「折りたたみ北京」ケン・リュウ編、中原尚哉ほか訳

公開日: 更新日:

 米国で活躍する人気中国人作家の編者が英訳して世界に広めた現代中国SFのアンソロジー。7人の作家の13作を収録。

 表題作(カク景芳=ハオ・ジンファン=著 大谷真弓訳)は、貧富の差によって折りたたみ式の3つのスペースに分かれた北京が舞台。第1スペースに割り当てられた時間は午前6時から24時間。住民が眠りについた後、地面が回転して現れる裏面の第2、第3スペースにも時間が分配され、各スペースの住人は完全に分離されている。最下層の第3スペースでごみ処理施設の作業員として働く48歳の老刀(ラオ・ダイ)は、幼い糖糖(タンタン)の教育費を得るために、危険を冒して第2スペースの住人から預かった手紙を第1スペースの女性に届ける仕事を引き受ける。

(早川書房 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情