「すべての不調は呼吸が原因」本間生夫著

公開日: 更新日:

 加齢とともに低下する機能はさまざまあるが、日々無意識に行っている呼吸する力も、年齢を重ねるごとに衰えていく。肺を縮めたり膨らませたりする呼吸筋の老朽化と、肺自体の弾力が失われることで、呼吸が浅くなり効率良く空気を出し入れできなくなることが原因だ。

 呼吸する力が衰えると聞くと、十分に息を吸えないことをイメージするかもしれないが、特に衰えるのが空気を吐き出す力。いつも通りに呼吸をしているつもりでも、年を取ると常に肺の中に必要以上の空気が残ってしまう。すると、新たに空気を取り込むスペースが狭くなり、十分な酸素を取り込むことも困難になる。代謝が悪くなり、脳や筋肉、あらゆる臓器や細胞一つ一つの働きが低下。自律神経の働きも衰え、免疫力が低下し、精神面にも不調が及びかねない。

 本書では、呼吸神経生理学を専門とする著者が、空気を出し入れする力を底上げするためのメソッドを解説。足を肩幅に開いて真っすぐに立ち、胸の前で両手を組みながらゆっくりした呼吸とともに腕を伸ばして背中を丸めていくなど、簡単に短時間でできるものばかりだ。また、日本人の呼吸に合う日本語の名文の音読や、スポーツ吹き矢、果物の種飛ばし競争など、楽しみながら呼吸する力を鍛える方法も紹介している。

 1日に約2万回も行っている呼吸。いい呼吸が保てているか否かで、健康寿命にも大きな差がつくのだ。

 (幻冬舎 780円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”