「すべての不調は呼吸が原因」本間生夫著

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 加齢とともに低下する機能はさまざまあるが、日々無意識に行っている呼吸する力も、年齢を重ねるごとに衰えていく。肺を縮めたり膨らませたりする呼吸筋の老朽化と、肺自体の弾力が失われることで、呼吸が浅くなり効率良く空気を出し入れできなくなることが原因だ。

 呼吸する力が衰えると聞くと、十分に息を吸えないことをイメージするかもしれないが、特に衰えるのが空気を吐き出す力。いつも通りに呼吸をしているつもりでも、年を取ると常に肺の中に必要以上の空気が残ってしまう。すると、新たに空気を取り込むスペースが狭くなり、十分な酸素を取り込むことも困難になる。代謝が悪くなり、脳や筋肉、あらゆる臓器や細胞一つ一つの働きが低下。自律神経の働きも衰え、免疫力が低下し、精神面にも不調が及びかねない。

 本書では、呼吸神経生理学を専門とする著者が、空気を出し入れする力を底上げするためのメソッドを解説。足を肩幅に開いて真っすぐに立ち、胸の前で両手を組みながらゆっくりした呼吸とともに腕を伸ばして背中を丸めていくなど、簡単に短時間でできるものばかりだ。また、日本人の呼吸に合う日本語の名文の音読や、スポーツ吹き矢、果物の種飛ばし競争など、楽しみながら呼吸する力を鍛える方法も紹介している。

 1日に約2万回も行っている呼吸。いい呼吸が保てているか否かで、健康寿命にも大きな差がつくのだ。

 (幻冬舎 780円+税)

【連載】長生きする読書術

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