「大便革命」辨野義己著

公開日: 更新日:

 ある製薬会社の調査によると、家族の中でもっともトイレのあとのにおいが臭いのは、“中高年の男性”という結果が出ているという。実は、腸内で悪玉菌が優勢になりインドールやスカトールといった有害物質が発生していると、ウンチのにおいが強烈になる。便秘女性に多く、男性はどちらかといえば軟便気味という人も多いが、1日300グラム程度の理想的なウンチをしていないと、腸内環境が悪化して「腐敗」が進み、臭いウンチの原因になってしまう。

 さらに、腸内で腐敗が進むと全身にさまざまな悪影響が及ぶ。肌が荒れる、クマができるなどの見た目の問題から、自律神経の乱れ、肥満免疫力の低下、そしてがんなど、恐ろしい疾病のリスクを高めることにもなりかねない。

 腐敗を食い止めるには、善玉菌による「発酵」を促す環境をつくってやればいい。ビフィズス菌や乳酸菌、そして壊れた腸粘膜を正常化する働きを持つことが分かってきた酪酸菌などの善玉菌が、腸内で乳酸などをつくり出す発酵を行う。

 よき発酵のためには食物繊維が欠かせない。小腸で吸収されず大腸まで届く食物繊維は、そこで水分をたっぷりと吸収し、ウンチのかさを増やして理想的な排泄を促す。さらに食物繊維は善玉菌のエサにもなり、腸内環境を整える働きをしてくれるのだ。

 本書では、インゲンマメやクリ、アボカドにラッキョウなど食物繊維が豊富な食材も紹介。いいウンチを目指せば、健康長寿も夢ではない。

(幻冬舎 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末