「美しい『あかり』を求めて」石井幹子著

公開日: 更新日:

 世界的照明デザイナーが本当に美しく心地よい「あかり」とは何かを伝えるエッセー。

 長年、海外で仕事をしてきた著者は、自宅に泊めたフランス人が障子を通した光の美しさに感嘆する姿を見て、日本文化が大切にしてきた陰影の美しさに改めて気づく。それは、光と闇という対比の中でとらえる欧米の照明とは異なる、光から闇に至る中間領域の中にある柔らかな「あかり」で、日本文化が育んだ独自の存在だという。「昼よりも夜が美しい」を証明した東京タワーや、満月のあかりが村を包み込むさまを再現した合掌造り白川郷など、これまで手掛けたプロジェクトを紹介しながら、日本人が培ってきた「ほのあかり」への思いをつづる。

(祥伝社 700円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方