「横田空域」吉田敏浩著

公開日: 更新日:

「横田空域」とは、東京を中心に1都9県の列島中央部の上空、高度約2450メートルから7000メートルまで6段階に設定された巨大な「空の壁」だ。米軍横田基地が航空管制を握っているため、民間機は米軍の許可がなければ空域内を通過できないのだ。

 この横田空域には、国内法上の法的根拠は何もなく、日米地位協定にも明文の規定はない。ただ、地位協定の運用に関する在日米軍高官と日本の官僚による協議機関「日米合同委員会」の合意に基づくだけだという。

 密室での合意は、国会の承認を必要とせず、合意文書や議事録も公開されていない。

 米軍が日本の制空権を支配・利用している知られざる現実を通し、憲法体系さえないがしろにする日米合同委員会の実態を明らかにする。

 (KADOKAWA 840円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方