「いきぢごく」宇佐美まこと著

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 友人と旅行代理店を経営している42歳の鞠子には、部下で11歳年下の南雲紘太という恋人がいる。紘太がライブバーでピアノを弾いたとき、鍵盤の上で優雅に動く指を見て、あの指で触れられたいと思ったのだ。だが、紘太の若さに付き合うことに疲れた鞠子は別れようとするが、絶望した紘太はマンションの屋上から飛び降りる。

 実は鞠子は姉の夫、幹久に恋していて、一度、過ちを犯したことがあった。

 二度と姉を裏切りたくないと思っていたのに、海外で暮らしていた姉夫婦が帰国し、ある夜、幹久が訪ねてくる。そして、最後に鞠子が知った真実とは……。

 父の書斎で見つけた遍路日記の女の不倫と自分の邪恋を重ね、恋の罠に落ちて懊悩(おうのう)する女を描く。

(角川春樹事務所 1600円+税)



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