「人体 神秘の巨大ネットワーク臓器たちは語り合う」丸山優二・NHKスペシャル「人体」取材班著
人体は「脳」が全体を支配していると思われてきたが、近年「臓器同士は脳を介さずに連携し、そのネットワークが人体を機能させている」ことが分かってきたという。体内にあるその「巨大なネットワーク」の存在を明らかにし、新たな人体観を伝えるサイエンス本。
体内のネットワークの中で、臓器から臓器へ、細胞から細胞へと情報を伝える「メッセージ物質」。その代表格がホルモンだが、現在では体中のあらゆる場所から数千種にもおよぶメッセージ物質が出ていることが分かっている。その端緒を開いたのは、日本人科学者が発見した心臓が出す「ANP」という物質だった。他にも腎臓や骨など、人体のさまざまな部分にスポットライトを当て、人体ネットワークの本質に迫る。
(NHK出版 900円+税)