「SF読書会」山田正紀、恩田陸著
人気作家2人が、古今東西の名作エンターテインメントを俎上に、とことん語りつくす対談集。
初回に取り上げるのは、半村良の大河SF伝奇ロマン「石の血脈」と日本SF大賞を受賞した「岬一郎の抵抗」の2作。
山田氏は、新人時代に半村氏から「誰に見せなくてもいいから、ポルノを書けば小説の腕があがる」と助言を受けたという。そんな思い出を振り返りながら、まずは「石の血脈」について語る。原稿用紙1000枚を超える大作だが、500枚と1000枚では書き方が変わると、2人の自分流の創作法を開陳。その上で、強烈な印象で、「ああ、小説ってこうなんだ」と勉強になったという。
以後、アシモフや小松左京ら多彩なゲストも交え、作家ならではの切り口で名作を読み込む。
(徳間書店 902円)