「ウクライナ戦争と分断される世界」大西広著
ウクライナ危機は、世界でくすぶる「南北対立」を表面化させた。「南」とは「西」でも「東」でもない「第三世界」であり、その結束が「非同盟諸国会議」である。「非同盟諸国会議」は対ロシア経済制裁不参加国とほぼ重なる。
NATOに加盟しようとしたウクライナやウクライナに侵攻したロシアは、「軍事同盟思考」にのみ込まれているが、その思考を克服することの重要性を指摘しているのが「南」の「非同盟運動」である。「西」は「東」だけでなく「南」とも対抗しているが、国の数や人口は「南」が圧倒的に多く、中国が「一帯一路」で対象としているのが、それらの国である。
欧州を真っ二つにしたウクライナ問題を読み解く。 (本の泉社 1600円)