「現代 カタストロフ論」金子勝、児玉龍彦著

公開日: 更新日:

 カタストロフは一般的に「崩壊」や「破局」ととらえられているが、実はひとつの周期であり、局所的な変曲点だという。

 カタストロフ論とは、分岐点においてシステムを支配している基礎的なメカニズムが顕現する「縮約」という現象に着目し、そこから逆にカタストロフの次の「安定的な構造」がどう生まれるべきかを予測する方法論だそうだ。

 分岐点にさしかかっている日本の経済社会に目を転じれば、従来の政策路線が崩壊していくのは誰の目にも明らかだ。故に著者らは、今こそカタストロフから垣間見える中心的なメカニズムを理解し、それをもとに代替案を立てることが緊急の課題になっていると指摘。

 生命現象と経済現象を、繰り返す「周期」ととらえ、日本と世界に迫りくるカタストロフへの処方箋を示す。 (岩波書店 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末