「現代 カタストロフ論」金子勝、児玉龍彦著

公開日: 更新日:

 カタストロフは一般的に「崩壊」や「破局」ととらえられているが、実はひとつの周期であり、局所的な変曲点だという。

 カタストロフ論とは、分岐点においてシステムを支配している基礎的なメカニズムが顕現する「縮約」という現象に着目し、そこから逆にカタストロフの次の「安定的な構造」がどう生まれるべきかを予測する方法論だそうだ。

 分岐点にさしかかっている日本の経済社会に目を転じれば、従来の政策路線が崩壊していくのは誰の目にも明らかだ。故に著者らは、今こそカタストロフから垣間見える中心的なメカニズムを理解し、それをもとに代替案を立てることが緊急の課題になっていると指摘。

 生命現象と経済現象を、繰り返す「周期」ととらえ、日本と世界に迫りくるカタストロフへの処方箋を示す。 (岩波書店 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」