「燕は戻ってこない」桐野夏生著

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「燕は戻ってこない」桐野夏生著

 29歳のリキは、派遣社員として総合病院の受付で働いているが、生活はぎりぎり。そんな中、同僚のテルから卵子を提供するエッグドナーに一緒に申し込もうと誘われる。

 サイトへの登録を済ませ、面接に進んだリキは、仲介業者の代表・青沼から卵子提供ではなく、卵子を提供した上でさらに受精卵を子宮に戻して出産する代理母(サロゲートマザー)にならないかと提案される。悩んだが、現状から抜け出すため青沼の提案を受けることにしたリキは、元バレエダンサーの基とイラストレーターの悠子夫妻の子どもを産む契約を交わす。

 代理出産ビジネスを当事者たちの視点で描き、毎日芸術賞・吉川英治文学賞をダブル受賞した問題作。本作を原作にしたドラマも現在放映中だ。 (集英社 1100円)

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