(103)黄表紙の開祖は類をみない反骨の士
迫りくる寛政の改革の締め付け、耕書堂いじめ。しかし、そんな定信の意向が蔦重の反骨の焔に油を注ぐ。
ようよう傷の癒えた本屋、小粋な格子の着物姿、二つ折りの手拭いを月代に乗せ、髷の後で両端を結んだ吉原被り、葛籠を背負って小石川の武家屋敷へやってきた。
「ここだ」、倉橋…
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