(112)襦袢の大年増の腰に手を回し
トントントンッ、小気味のいい太鼓の音、芝居小屋の櫓の両脇には見せ場と人気役者を描いた派手な絵看板。呼び込みの木戸芸者が、掌に三遍「助六」と書きペロリと舐めた。所作は「助六」の名場面、人気役者の声色で名台詞を放つ。
「これで、一生女郎に振られるということがねえ」
そ…
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