「論理的思考とは何か」渡邉雅子著
「論理的思考とは何か」渡邉雅子著
論理学では、論理的思考は世界共通で不変だとする。しかし、思考する目的が異なれば、結論を導く手続きが変わり、論理的であることの基準が変わると著者は言う。目的に応じて異なる論理的思考法を使いこなすことが重要で、それこそがこの時代にふさわしい論理的思考であると説く。
論理的思考は教育の過程で身につけていくもので、論理的思考の型はそれぞれの社会が何を重視し文化の中心に据えているのかと深くかかわる。
論理的思考の方法は、無限にあるわけではなくいくつかのタイプを型として提示することが可能だという。本書では、「経済」(アメリカ)、「政治」(フランス)、「法技術」(イラン)、「社会」(日本)の4つの固有の論理と思考法を、各国の学校で教えている「作文の型」に注目して解説する。
(岩波書店 1012円)