著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

ピース又吉&綾部は足りないモノを補い合う“理想の関係”

公開日: 更新日:

 それは本業のお笑いにも生かされている。例えば、あまり知られていないが又吉は独創的な一発ギャグの使い手でもある。直立不動で真っすぐ跳びはねながら「僕は恐らく、殺されるだろう」と言う。上体を前後させて両腕を横に振る謎めいた動きをして「国家にとってよからぬ思想を持っています」と言う。こういうギャグには、受け手にその背景となる物語を想像させるような力が秘められている。その場の乗りと勢いを重視する他の芸人の一発ギャグとは、ひと味違う深みがあるのだ。

 又吉にとって幸運だったのは、綾部祐二(38)という自分とは何もかも対照的な気質を持った相方に恵まれたことだろう。綾部は社交的で遊び好き。最近では又吉を「先生」と呼んでこびへつらっている。外につながることにたけた綾部と、内に深く掘り下げることにたけた又吉の相性は抜群。

 ピンでの活動が目立つ2人だが、足りないものを補い合う理想の関係を築いているのだ。
(お笑い評論家・ラリー遠田)

▽らりー・とおだ 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在はお笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。主な著書に「逆襲する山里亮太」(双葉社)など。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  2. 2

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  3. 3

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  4. 4

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  5. 5

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    “勝ち組”は中澤、辻、藤本…「モーニング娘。」たちの明暗

  3. 8

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  4. 9

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  5. 10

    悠仁さま「人々の幸せを願い」成年会見で高まる将来への期待…愛子さまの“国民と苦楽を共に”との比較も