「教育は生もの…」故・阿部進さんが本紙に語った“遺言”
■壮絶闘病中も前向きだった阿部さん
「ここ8年ほどは病気との闘いでね。今じゃ車椅子生活なんです。朝、目が覚めたら『今日も生きてた!』って、もうそれだけでうれしくてうれしくて。命あることに感謝しながら暮らしてますよ」
横浜市金沢区の住宅地。自宅にお邪魔すると、阿部さんがリビングで迎えてくれた。
「30代、40代のころは100キロ近く体重があったもんだから、当時から糖尿病を抱えててね。で、ミネラル水と天然塩で作った塩水をガブガブ飲む療法と食事制限で60キロ台に落としたのはいいんだけど、2009年に胃がんが見つかり抗がん治療を始めてからが大変だった」
まず10年末に帯状疱疹を発症。11年1月に転倒して右肩を骨折し、7月に人工関節手術。同年9月、心不全。帯状疱疹のウイルスが左目に入り角膜ヘルペスを起こしたため、10月、11月と2回手術をするも改善せず、12年2月に左目を失明。16年6月に転倒して股関節を骨折。人工骨頭置換手術を行い約5カ月入院……。
また、2歳年下の奥さまも09年12月に新型インフルエンザのワクチンを接種したところ、副作用でギラン・バレー症候群(運動神経障害のため手足に力が入らなくなる難病)などを発症し、人工呼吸器を必要とする寝たきりだという。