著者のコラム一覧
コトブキツカサ映画パーソナリティー

1973年、静岡県生まれ。映画パーソナリティー&映画心理カウンセラー。有働由美子、マツコ・デラックスと同じナチュラルエイトに所属。ハリウッドのエピソードから心理まで多角的に作品を網羅。水道橋博士も信頼を寄せる映画専門家。

長瀬智也に薦めたい青春映画「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」

公開日: 更新日:

 芸能界の一大勢力、ジャニーズ事務所のタレントの退所が相次いでいます。TOKIO長瀬智也さんも3月末をもって退所しましたが、他のタレントたちと大きく異なるのは事務所を辞めただけでなく芸能界を引退したこと。決して仕事が目減りしたわけでもなく、タレントとしても俳優としても活躍していたにもかかわらず、およそ30年間の芸能生活に終止符を打ち、今後は“裏方として働く”と宣言したのです。

 そんな長瀬氏に今回処方したい映画は「エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に」です。

 舞台は1980年のアメリカ・テキサスの名門大学野球部で、部員たちが共同で暮らす一軒家に引っ越してきた新入生たちが大人になる過程を描いた青春映画。監督はアカデミー賞でも主要部門にノミネートされた「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレーターで、本作は「6才のボクが――」の続編的な物語です。

 主人公のジェイクは体育会系の硬派な世界で育ちましたが、大学の寮に入所してからは一転、女性と交流を持ち仲間たちとハメを外し自由を謳歌します。ジェイクは仲良くなった女性と2人で湖で遊んでいる時、「何かに情熱を注げることがすてきだと思わないの?」と問われます。野球という生きがいを見つけたジェイクは、実は他人が羨むような、かけがいのない充実感を得ていたことに気づく。それは長瀬智也氏の人生とも重なるはず。ジェイクや部活の仲間たちはいつかは野球から離れてそれぞれの道へ進みます。

 劇中「死ぬ前に後悔するのはやったことじゃない。やり残したことだ」というセリフが出てきますが、長瀬氏も芸能界での活動終了に後悔することなく多くのファンのため、そして何より自分のために今後やりたいことを突き詰めてほしいと願います。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」