進撃の巨人がコロナ禍に完結した意味 絶望を100%描き切る
そして世界的なパンデミックで、本来ならば起こらなくて良いような差別や争いが次々と生まれてしまっている今このタイミングで、進撃の巨人が完結したことに意味を感じずにはいられない。
何でもコロナに結びつけるなと怒られるかもしれないが、それでもやはりこのコロナウイルスという未知のウイルスによって一変した今の私たちの世界と、進撃の巨人の終盤の世界をリンクさせながら読んでしまった。
進撃の巨人に描かれていたのは"人が肩を寄せ合って生きることの難しさ"だとも思う。
誰かを悪にしないと、人は結びつくことすらできない。しかしそんな「愚かさ」があるからこそ、世界は"残酷で美しい"と感じることもできる。
主人公のエレンをはじめとする登場人物たちと共に、人間である自分はどう生きるべきか? 何を選んで捨てるべきか? 絶望の中に、どう希望を見出すのか? それらの"問い"を与えてもらった11年7カ月だった。