論破するひろゆきに憧れる若者の危うさ、SNSをタレ流すメディアの思考停止

公開日: 更新日:

 しかし本来は論破するよりも、自分と違う価値観の人と腰を据えて対話することのほうが遥かに難しい。そういったスキルを持った人のほうが、社会を生き抜く力があると筆者は思う。

 どちらか一方だけの尖った発言ができる人も確かにすごいが、バランス感覚を持ち、多面的で俯瞰的な意見を述べることができる人がいるからこそ、世の中はきちんと回っているともいえる。

 ひろゆき氏のそもそものスタンスは、「相手を論破してやろう」というものではないと感じる。「互いの意見を出し合ってよりよい意見を見つけていくこと」を前提に議論した結果、「論破する形となってしまった」というパターンがままある。

 ひろゆき氏の豊富な知識には毎回舌を巻くが、どちらかというと「広く浅く」であり、本人もそれを認めつつ、間違えた時は素直に謝罪したりもしている。だからこそ、ひろゆき氏の主張する論はあくまで「ひろゆき氏の持論に過ぎない」という意識で、受け手側には主張を精査し理解する能力が求められる。

 最近炎上したDaiGo氏の信者同様、それらしい論に陶酔し、無意味な憧れを見出していることは、思考停止しているのと同じことだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  1. 6

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  4. 9

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

  5. 10

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋