「カムカム」はNHK朝ドラの王道 “ひたむきなヒロイン”が視聴者に安心感を
岡山の和菓子屋の娘から続く昭和、平成、令和の3代のヒロインを描くNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」がスタートして3週間。東日本大震災で傷ついた気仙沼の若者を描いた前作「おかえりモネ」が現代の若者の自分探しだったのとは一変して、朝ドラの王道といえるひたむきなヒロイン像を描き、これこれという安堵を感じる。朝ドラの現代劇は「あまちゃん」くらいにぶっ飛んでいないと沈んだ気分になる。朝ドラは自分探しNGだ。
「カムカム--」は脇も手堅い。上白石萌音演じるヒロイン安子の父の甲本雅裕、母の西田尚美、祖父の大和田伸也、祖母・鷲尾真知子がいい。友人のきぬ役・小野花梨の演技力も目を見張る。「第二の伊藤沙莉」か。
この間のテーマは小さな和菓子屋の娘、安子と事業を展開する名士の息子、雉真稔の結婚だった。
好きになった2人は結婚したいが、父親が息子に持ってきた縁談で諦めるしかないという戦前や昭和ではありがちだったお話をオーソドックスに描いた。折しも周囲の反対を押し切って強行突破した眞子さんと小室圭さんを彷彿させたが、こちらは恋人役の松村北斗のいちずさがリアルに伝わってきた。