“日本一難関”「女子アナ入社試験」の実態…8割が見た目でジャッジ?
テレビ局の華ともいえる女子アナの世界を描いた小説「全力でアナウンサーしています。」(文芸春秋)が話題だ。著者は日本テレビで数多くのヒット番組を手掛けた映像プロデューサーの吉川圭三氏(64)で、日テレ時代はアナウンス部長も経験。「ドメスティックな環境で生き抜く女性たちへの応援歌」として書いたという今回の小説に盛り込めなかった内容を厳選し、番外編として特別連載します。
14、15年ほど前のある日曜日。日本テレビ・汐留タワーでも人気がないある中くらいのスタジオである重要なイベントが行われていた。「女子アナの5次試験」である。昼夜・休日のない激務とストレスで体重が100キロに到達し、氏家齊一郎・日本テレビ会長から健康回復のために「とにかく体重を減らせ」と言われ、テレビ制作の現場から定時出勤・退社が可能なアナウンス部に異動し、アナウンス部長に就いた。そして初めて“女子アナ選考会”に同席することになったのだ。局のそうそうたる幹部クラスが居並び、試験のために作られた照明もセット完璧。制作現場しか知らなかった私は“社の力の入れよう”に驚嘆した。