韓国で薄れてきた“東西対立”の感情…革新の地盤で保守の支持率が3割超に
今月12日に公開予定の韓国映画「キングメーカー 大統領を作った男」を見ると、「勝てば天国、負ければ地獄」といわれる韓国の大統領選は、正攻法で勝てそうにないことがわかる。むしろ、ダーティーな奇策のほうが効果的なのではないか。
映画は若かりし頃の金大中元大統領と、当時その選挙参謀だった厳昌録の実話に基づいたフィクションだ。“選挙の鬼才”といわれた厳昌録の「1票を得るより、相手の10票を減らす」という戦術によって、金大中氏は地方の補欠選挙で初当選。晴れて国会議員となる。
映画の中でも描かれているが、韓国の大統領選で顕著だったのが、東西の“地域対立”だ。南東部の慶尚道は「保守系」の地盤。
一方、西南部の全羅道は「革新系」が圧倒的に強い。1997年に野党の大統領候補として初当選し、政権交代を実現させた金大中氏は、長く保守劣勢だった全羅道の出身だ。
こうした地域対立は古くからあり、新羅と百済の戦いまでさかのぼるという声もあるが、激しさを増したのは71年の大統領選。現職の朴正熙大統領が強敵の金大中氏に勝つため、東西の対立感情をあおったのだ。