【追悼】三遊亭円楽さん 見果てぬ夢となった落語界天下統一と大名跡・円生襲名
だが、円楽師匠の死によって、全国統一は夢に終わった。円楽師匠の遺志を継げるだけの器の人物はしばらく出そうにない。
■「名前が野ざらしになっちゃってる。もったいないよね」
もう一つ、志半ばで終わってしまったのは、三遊亭の大名跡、三遊亭円生を襲名すること。天下統一よりも、襲名の現実味は高かった。
六代目円生の遺族も、一門がまとまるなら、と円楽師匠の円生襲名を認めていたという。円楽師匠自身も意欲を隠すことなく、ことあるたびに、円生襲名へのこだわりを語っていた。
六代目円生の弟子筋は、五代目円楽党以外にも落語協会にもいる。円生の直弟子で、かつては円生襲名に名乗りを上げたことがある三遊亭円丈師匠は2021年11月30日に亡くなり、前座時代に円生門下に移った三遊亭円窓師匠が六代目門下の最後の存命者だったが、今年9月15日、心不全のために旅立った。
六代目円生の直弟子はいなくなり、円楽師匠の同じ孫弟子、さらにはひ孫弟子が、襲名権利者として残された。