落語家ヨネスケさんは今…2015年に離婚し1人暮らし「結婚はもういい!」
桂米助さん(落語家/74歳)
ワイドショー「ルックルックこんにちは」(日本テレビ系)で1985年から2011年まで、26年間も続いた人気コーナー「突撃!隣の晩ごはん」。リポーターを務めていた落語家・桂米助さんは、同番組終了後も他番組で一般家庭の食卓を突撃リポートして視聴者を楽しませていた。ヨネスケさんの突撃をテレビで見られなくなって長いが、ヨネスケさん、今、どうしているのか。
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新宿の喫茶店で会ったヨネスケさん、まずは大好きな野球の話から。
「日本ハムのBIGBOSSが盛り上げてくれてワクワクしています。82年からメジャーリーグの観戦にも行くようになって、30球場中25球場に行ったほど。とくにイチローさんを追っかけてるから、マリナーズ会長付特別補佐か何かになってからも、彼のコーチぶりを見に行きたい。大谷翔平? 見たいけど浮気は良くない(笑)。そもそもコロナで、まだ今年も海外は行きにくいけどね」
ヨネスケさん、コロナ対策に人一倍気をつかっているようだ。
「だって、ボクらみたいな高齢者は、もしかかったりなんかしたら命が危ないだけじゃなくて、世間に『いい年して分別もつかねえのか!』なんてSNSで叩かれるでしょ。だから、まん防が明けても、コロナ前のようには飲みに行けないですね。家飲みばかりですよ」
長年連れ添った夫人とは、15年に離婚。都内のマンションで1人暮らしだから、こまめに自炊しているという。
「朝は野菜ジュースを作って飲んで、夜はショウガ焼きでもトンカツでも何でも作って食べてます。酒は焼酎をコップ2、3杯飲んだだけですぐ酔って寝ちゃう。1人でテレビ見ながら飲んでたってつまんないしさ。テレビはNHKの連続テレビ小説とかBSのホームコメディー『しずかちゃんとパパ』、テレビ東京の『Youは何しに日本へ?』とかを見てます。『みんな、がんばってんな』って思って、ポロポロ泣きながら」
年をとって涙もろくなったか。ヨネスケさん、再婚話はないのか。
「結婚はもういい! そんなことをしたら、孫にどんな顔で見られるか。コロナで遊びに行けないから出会いもなく、こんなに清潔な生活をしたのは人生で初めてだってくらいですよ(笑)」
子どもは42歳の長男、39歳の次男、37歳の長女の3人。長男と長女は結婚し、孫は小学2年の男の子を筆頭に4人いる。
「子どもらとは電話でちょくちょく話してます。長生きしたいとは思わないけど、孫の成長は見たいですねぇ。とくに、5歳になる女の子なんてかわいくて、その子が17~18歳になったらどんな感じかな、って楽しみですよ」
すっかり好々爺風な発言だが、落語家として現役。モテないはずはないと思うが……。
「いやいや、振られ人生! しゃべり過ぎが原因ですね……って、そんなことより、高座や講演は月に何本もやっていますよ。物忘れと闘いながら(笑)。それから、YouTube『突撃!ヨネスケちゃんねる【落語と晩ごはん】』も2年前に始め、噺家の楽屋で見せる素顔とかをお伝えしています。登録者数は2万7000人近くいますから、落語家としてはいい方なんじゃないですかね。若い方には『ヨネスケさんって落語家なんですね』なんて言われましたよ(笑)」
空いた時間はウオーキングに励む。しかし、実は昨年、過敏性肺炎と胆石で入院していた。
「過敏性肺炎は風邪のような症状で1週間入院。胆石では腹腔鏡手術を受けました。コロナで時間があるときだったからちょうど良かったですよ」
来年には主演映画が公開
さて、ヨネスケさんは高校卒業後、4代目桂米丸師匠に入門し、81年に真打ち昇進。翌82年、日本放送演芸大賞ホープ賞を受賞し、85年から始まった「突撃!隣の晩ごはん」のリポーターで人気・知名度を獲得した。
「『突撃!──』にはオーディションで起用されました。最初は1クール(3カ月)の予定だったから、長く続くなんて、思いもしませんでした」
突撃した家庭は約6000軒。全国津々浦々、離島にまで足を運んだ。
「千葉・勝浦の漁師のご家庭は『ろくな食事じゃないから恥ずかしい』と言って、アワビや伊勢エビ、ウニが入ったカレーライスでした。漁師さんには肉がごちそうで、アワビとかはごちそうじゃないんですね。そりゃ、うまかったですよ! だいたい地方の方が歓迎してくれました。田園調布なんて、36軒回って全部断られましたから」
「突撃!──」の人気は健在で、2023年には“バカ映画の巨匠”といわれる河崎実監督が、ヨネスケさん主演で映画「突撃!隣のUFO」を公開予定だ。
「この年で主演映画なんて、ありがたい話。製作資金の一部をクラウドファンディングで募ったら、見事、目標額を達成しましてね。みなさん、楽しみにしていてください!!」
(取材・文=中野裕子)