人生でただひとり夢中になった「アイドル・早見優」には何があった?
そこで相澤氏が同社の看板・森田健作の名前を出すと「ドラマ見てます!」と目を輝かせたという。当時ハワイのテレビで放映されていたのは少し昔の青春ドラマだったからである。ギョーカイの大人たちが求めるアイドル像から逸脱した彼女の佇まいは、この環境に依拠していた。
YouTubeの早見優チャンネルを見た。ドライブトークとあるからスージーさんがドライブに連れ出すのかと思いきや、早見さんがマイカーのハンドルを自ら握って東京の街をドライブ、助手席のスージーさんと肩の凝らないトークを展開する。40年前に夢中になった美少女は、いま品良く成熟した大人の女性になっていた。
スージーさんによる、やや唐突なぼくのフリに対して、知ってますよとごく自然に返した早見さんは、好きだという曲の名も言った。悪ノリしたスージーさんはもうひとりのお気に入りアイドルの名前を挙げ、近々一緒に合コンをとはしゃぐ。思わず微苦笑。そのとき去来した感情をメロウと呼ぶことに、ぼくはいささかのためらいもない。