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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

お笑いが楽しめるようになったマシンガンズの「そうじゃない生き方」

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「いま(芸人を)辞めてもたぶん、いいとこに就職できないし、不幸だと思う」というブラックパイナーSOSの山野の言葉に、滝沢は「わかる。夢のない不幸よりも、夢のある不幸ね」と共感を寄せ、西堀も「知ってる不幸の方が免疫がある。未知なる不幸はツラい」と語っていたのは、7年前(テレビ東京系「ゴッドタン」16年5月21日)。

 芸人を続けるため、滝沢はゴミ清掃員として定職に就くことを選択した。「ひとつの職業をずっと、やり遂げるのがいいことだと僕も教えられてきたし、芸人としてもそれが正しいと思ってきた。でも、そうじゃない生き方もある」と考えたのだ(講談社「FRIDAYデジタル」19年4月27日)。

 すると、「以前よりもお笑いを楽しめるようになった」(同前)という。西堀も「昔は鬼みたいな顔をして舞台に上がって、無理やりにっこりしてた。でも、今の滝沢は心から笑ってますもんね。もうちょっと緊張しろよって思ったくらい」(「週刊ポスト」23年6月2日号)と変化を語る。

 ムダな力が抜けた2人は、その人間味を丸出しにした漫才を披露し、準決勝ではこの日の最高得点で勝ち進み、決勝では最低得点に沈むという、一生ネタにできる最高の負けザマを見せたのだ。

 約5年前のインタビューで「あとはオレらがなんとか売れて、30~40年後にみんなで『あの頃は良かったな』って言い合いたい」(オリコン「ORICON NEWS」18年9月12日)と語っていた滝沢。その夢を泥くさく掴み取ろうとしている。

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