異論に不慣れがゆえに過剰に防衛し炎上…という茂木健一郎のケースは珍しくない
ジャニーズ事務所の性加害問題が佳境を迎えるなか、「ジャニーズにだまされるな」と挑発的な投稿をSNSに連投し賛否両論のみならず、ファンから口汚いルッキズムを浴びせられた茂木健一郎。
「芸術の教養が根本的に欠けている」「学芸会的価値の捏造」「ビジネスモデルはホストと同じ」「人生の時間を無駄にしないで」と、強いワードを使ってでも世間の注目を集め、信ずるところに従って警鐘を鳴らしたかったのかもしれない。
しかし、強いワードだからといって人の心に刺さるとは言えず、そもそも消費者被害であるかのような物言いは、故ジャニー喜多川氏による性加害問題とはピントがズレている。どうにも場外乱闘の趣が拭えないのは、強い言い方で本質を語っているようでいて、その実「芯を食ってない」からなのではないか。
■芸術と、大衆娯楽の興行をひとまとめにしても
茂木は、「音楽や芸能は、(略)単純接触効果を超えたきびしい批評性を通して育つ」が、ジャニーズは「本当の芸術性とは無関係」な「学芸会的価値の捏造」と持論を述べていた。批評の対象としての芸術と、大衆娯楽の興行とを同じ俎上でひとまとめにして語られるのは、やはりモヤモヤしてしっくりこない。