東京15区補選を戦い終えた須藤元気さんに聞いた 格闘技、俳優、政治家としてのターニングポイント
「減税救国論」は勝負するために出しました
──著書にいろんな案が書かれてますが、具体的な案を教えてください。
消費税減税と、正規と非正規の格差解消と、配偶者控除の大幅引き上げなんです。最後ので言うと、今は非正規カップル2人の年収を合わせても500万円ちょっとくらいのケースが多く、子供を持てないし、結婚もできない。130万円の配偶者控除を300万円まで引き上げれば、結婚後も働きたい女性は増えて子供も持ちたいと思うと。人手不足も少子化も解消される。
非正規の格差解消もそうですが、年収が増えれば使えるお金も増え、結果的に税収は増える。「年収を百万増やして人生を百倍楽しもう」というのが下町出身で居酒屋のせがれだった僕の考え。今挙げた3つをシタマチノミクスと名付けてます(笑)。
「日本より消費税高い国もあるだろ」と言われますが、そういう北欧の国は教育費や医療費が無料だったりします。日本は老後に2000万円必要だといわれるぐらい、まったく社会保障に使われてない。
今年、勝負するために本を出しました。党に限らず今回の裏金政治に頭にきてる議員が多いと思いますし、考えようによっては世代交代のチャンスです。与党も野党も関係なく声を上げていかないといけない。
僕はバブルを知らず、就職氷河期だったロストジェネレーション。弱い者いじめの税制や既得権政治を変えるのが僕らの世代の役割だと思って頑張ります。
(聞き手=松野大介)
▽須藤元気(すどう・げんき) 1978年3月、東京都出身。格闘家として活躍。2006年に引退。08年から拓殖大レスリング部監督。WORLD ORDERのボーカル、プロデューサーとして世界的に活動。19年に参院選比例区で当選。現在、中央大レスリング部GMを兼任。新著「減税救国論」(幻冬舎、税込み1540円) 政党政治の呪縛から解き放つ方法/消費税ゼロで実質所得一割増しなど、アイデア満載。