地上波撤退続く海外メジャーゴルフを“無料独占生中継” BS松竹東急がはじくソロバン勘定
BS松竹東急は、社名の通り、松竹と東急の出資で2022年に開局、映画・ドラマや買い物情報が主要コンテンツだが、トーナメント以外のゴルフ番組にも力を入れている。ベテランと若手の女子プロペアとコースを熟知したメンバーペア(アマチュア)が競う「ゴルフW」、プロゴルファーで解説者のタケ小山と女子プロ2人の9ホールマッチプレーとレッスンの「タケ式!ゴルフ道場」も始まった。
このBS松竹東急と同じ時に開局した「BSJapanext」(263ch)も、ゴルフ番組がてんこ盛り。
こちらは通販でおなじみのジャパネットたかた系で、ゴルフバラエティー、レッスン、ゴルフ談議などの番組が毎晩9時からあり、早朝にはPGAツアーの決勝ラウンドやハイライトを流す。
トーナメントは有料のネット配信やCSでも見ることができるが、この2局は無料だ。どんなソロバンをはじいているのだろう。
「メジャー大会の日本でのテレビ放送権料は5億円前後と高額で、欧米の主催者側もこれを失うのは大きい。そこで、従来の契約とは違う条件で売り込みをかけています。たとえば、長期契約ではなく単年度契約にしたり、為替変動に対応した放送権料設定など、実質的な値引きをにおわせたりもします。後発のBS局でも手が届くようになってきたというわけで、知名度や媒体イメージをアップするための投資としては悪くないはずです。松山英樹やタイガー・ウッズが優勝争いに絡んでくれたら、リアルタイム視聴率も上がるし、CMも入るから十分に元は取れます」(大手広告代理店スポーツ担当営業マン)
テレビ朝日が撤退した7月の「全英オープン」も、BS松竹東急で中継してくれないかなあ。
(コラムニスト・海原かみな)