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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

やりたいことが思い切りできる環境が整った だから「おばあちゃん」は若々しい

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「いつこの世を去るかもしれないと思ったら、やりたいこと全部やってみたい」(NHK「Dearにっぽん」24年3月25日)と思うようになった。仕事を定年まで勤め上げると「封印してた気持ちがマグマのように」あふれ出し、71歳で芸人を志してNSC東京校に入学したのだ。

 ネタを作り始めたときは、フリ・オチの概念もわからなかったおばあちゃん。オリジナリティーもなく、オチを忘れがちだと自己分析した彼女は、綾小路きみまろを見本に、まだ誰もやっていない「女きみまろ」を目指すことに。“オチ忘れがち問題”は、事前に川柳を書いておくことで解決。こうして持ちネタ「シルバー川柳」が生まれたのだ(テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」23年8月14日)。

 彼女から話を聞いたというガクテンソク・奥田は、冒頭の番組で「衣装はこのままでいいのか、老人あるあるのネタのままでいいのかとか、悩みがちゃんと6年目」だと証言する。

「なんで70代過ぎてお笑いなんか始めたんだって皆さん言うんだけど、70過ぎたから行けたんですよ」(「Dearにっぽん」=前出)とおばあちゃんは言う。ようやく、やりたいことを思い切りできる環境が整った。だからこそ、おばあちゃんは誰よりも若々しく、楽しそうなのだ。

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