やりたいことが思い切りできる環境が整った だから「おばあちゃん」は若々しい
「いつこの世を去るかもしれないと思ったら、やりたいこと全部やってみたい」(NHK「Dearにっぽん」24年3月25日)と思うようになった。仕事を定年まで勤め上げると「封印してた気持ちがマグマのように」あふれ出し、71歳で芸人を志してNSC東京校に入学したのだ。
ネタを作り始めたときは、フリ・オチの概念もわからなかったおばあちゃん。オリジナリティーもなく、オチを忘れがちだと自己分析した彼女は、綾小路きみまろを見本に、まだ誰もやっていない「女きみまろ」を目指すことに。“オチ忘れがち問題”は、事前に川柳を書いておくことで解決。こうして持ちネタ「シルバー川柳」が生まれたのだ(テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」23年8月14日)。
彼女から話を聞いたというガクテンソク・奥田は、冒頭の番組で「衣装はこのままでいいのか、老人あるあるのネタのままでいいのかとか、悩みがちゃんと6年目」だと証言する。
「なんで70代過ぎてお笑いなんか始めたんだって皆さん言うんだけど、70過ぎたから行けたんですよ」(「Dearにっぽん」=前出)とおばあちゃんは言う。ようやく、やりたいことを思い切りできる環境が整った。だからこそ、おばあちゃんは誰よりも若々しく、楽しそうなのだ。