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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

ウケるかウケないか クズ芸人・岡野陽一は最も脳汁が出る「二択」に挑み続ける

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 解説役になってもそれは同じ。小籔千豊と対戦した田村淳が考えるのをやめ、靴が倒れた方のイスに仕掛けると「人間こうなったらダメ」と断言。その言葉通り淳は惨敗し、霜降り明星のせいやから「人間の専門家」と評された(「水曜日のダウンタウン」24年11月6日)。

 第2回大会の1回戦では劇団ひとりと対戦。理論度外視のトリッキーな言動をする「奇人」に対しても、その「奇人」を凌駕するギャンブル勘で圧倒。芸人的にカッコいい選択を迫るひとりに「俺、カッコいいとかどうでもいい」(「水曜日のダウンタウン」24年11月20日)と勝利を優先した。

 岡野は人間のダメな部分や心の弱さを熟知している。ギャンブルで最も興奮する瞬間を「一番脳汁が出る瞬間は勝ったときではなくて、激熱リーチになったとき。当たるのか当たらないかっていうときが一番楽しい」(「あちこちオードリー」=前出)と表現する。「汁が出ないなら生きてなくてもいい」と。だからこそ彼はギャンブル性の高い芸人という職業を選んだに違いない。

 岡野陽一は「2択っていうのが一番汁が出る」(「水曜日のダウンタウン」24年5月22日)と、ウケるかウケないかが分からない“2択”に恥部をさらしながら挑み続けている。

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