池内ひろ美
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池内ひろ美家族問題評論家

1961年、岡山県生まれ。自身の離婚をきっかけに、人生をリストラクチャー(再構築)するため前向きに選択する離婚を「リストラ離婚 妻が・夫を・捨てたわけ (講談社文庫)」と名づけて上梓。以降著書は31作に及ぶ、夫婦・家族問題評論家の草分け的存在。現在、ガールパワー代表理事、家族メンター協会代表理事、内閣府後援女性活躍推進委員会理事をつとめる。

渡部建にあった成功者の“驕り”「俺だけは大丈夫」と過信

公開日: 更新日:

 芸能界の不倫・熱愛報道を家族問題評論家の池内ひろ美が分析する。

 ◇  ◇  ◇

 渡部建さんの“事件”は、多目的トイレを使って性的行為に及んだこと、女性に1万円払って帰らせたことなど、渡部さんの“美食家”イメージとかけ離れていたことへの驚きでもありました。1年近く経った今も受け入れがたいものがあります。これが一因ではないでしょうが、国土交通省は、バリアフリー設計指針で、トイレの名称から「多目的」「誰でも」を避けて利用対象を明確化するよう改定することにしたほど衝撃的な事件でした。

 美食家が女性と会う際の、3つ星レストランで食事して隠れ家的バーでワイングラスを傾けた後、ラグジュアリーホテルで優雅に過ごす、というプロトコルが果たされていなかったことへの失望かもしれません。

 しかし、夫婦関係についてはダメージが少ないでしょう。浮気した夫に妻が怒りを覚えるのは、浮気相手にハイブランドのバッグをプレゼントしたり高級ホテルに宿泊したことがクレジットカード明細から分かった時です。その点、渡部さんは1万円しか支払っていない。妻以外の複数女性と性行為はしたものの、妻に対しては侮辱的行為をせず、妻にもっともお金をかけている。つまり、渡部さんにとって、佐々木希さんは“特別な存在”であり“最上級ランク”。したがって、今のところ離婚はなさらないと思われます。

バレたことは不運ではなく必然

 ただ、ひとつ不思議なことが。複数の女性に侮辱的な行為をすることで、いずれ逆襲を受けるとは思わなかったのでしょうか。そこにあるのは男性の驕りかもしれません。男性には渡部さんを支持している人も多いのは確かです。女性をランク分けして、デート費用を分散して当然というコスト管理意識の高い考え方もあるでしょうか。

 社会的に成功している人が持つ“驕り”が「俺だけは大丈夫」「バレても組織や仲間が守ってくれるだろう」という自信を加速させています。バレたことが不運だったと受け止めている男性も多いようですが、これは不運ではなく必然といえます。

 渡部さん的に夫婦関係は修復できるかもしれませんが、多くの女性たちが彼の行為に対して覚えた感情はいまだマグマのように沸々としています。豊洲市場での働きが報道され、そこで扱われた魚が口に入るのは気持ち悪いと眉をひそめた女性もいます。彼女たちが覚えた不快感と不信感が消えるにはまだ時間がかかりそうです。

【連載】芸能界「男と女のラブゲーム」の末路

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