ジャニーズ事務所のメディア支配…出発点はメリーによる弟ジャニーの「病」隠し
英国のBBCがジャニーの性加害問題のドキュメンタリーをやろうが、元ジャニーズの人間が、ジャニーから性加害を受けたと実名告白しても、メリーなら無視したまま、少しも動じなかっただろう。
だが、新聞もこの問題をようやく取り上げ、CMにジャニーズの人間を使わない企業が次々に現れ、これまで逆らったことのないNHKまでが紅白に出さないと明言する事態になった。万事休す。メリーならどうしただろう。
私は、メリーは一人で会見に臨んだと思う。そこで、自分が弟の性加害を知りながら長い間隠蔽してきたことを認め、自らも同罪だと深く謝罪する。何百人ともいわれる被害者たちには私財と事務所の資産を売却して、最大限の補償と心のケアをする。残ったお金は性加害を起こさない活動をしているNPOなどに全額寄付する。数カ月のうちにジャニーズ事務所は廃業。独立できないタレントたちは他の芸能事務所に引き取ってもらうよう、自分が責任をもって対処する。
メリーなら別会社などつくらず、即刻、自らの手で汚れちまったジャニーという名を永遠に葬ったはずだ。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)