驚異の回復例も 子供の「視力低下」抑制に3つの新技術
「曇ったメガネをかけているのと同じで、目には曖昧に見えるため、より良く見ようとして、目の中の筋肉を緊張させてしまうのです。ヒトは物を見るために眼球の中のレンズ(水晶体)が膨らんだり、伸びたりすることで焦点を合わせます。このレンズを動かす筋肉が毛様体筋で、これが過度に凝り固まった状態が仮性近視です。テレビゲームなどの電子機器は、常に毛様体筋の緊張を強いているのです」
仮性近視の段階なら、「ミドリンM」などの点眼薬や「ワック」と呼ばれる両眼視検査機器による訓練での視力回復も可能だ。しかし、眼球が前後に伸びる軸性近視になると、視力は戻らない。
「視力が固まる30歳くらいまで、どんどん視力低下が進んでいきます。そんな中、注目されているのが、オルソラケトロジーです」
■角膜表面の形状を変化させる治療法
これは特殊なコンタクトレンズで角膜表面の形状を変え、乱視や近視を矯正する治療法だが、公的健康保険は利かない。
一定の装着時間が必要で、就寝時に使われるため「ナイトレンズ」などと呼ばれている。夜間6時間以上装着することで昼間はメガネなしで過ごすことが可能だ。0.1以下の人が1.0以上の視力を取り戻した例も報告されている。