元祖“神の手”はやっぱり驚異的だった
私も年間400例以上の手術を行っていますが、さすがに365日フル回転ではありません。そもそも、そこまで多くの患者さんがいないという状況もありますし、精神的なストレスを解消して手術に臨めるよう、1週間に1日は休みを取るようにしています。そうしたことを考えても、福島先生は手術の回数だけでも驚異的です。
また、脳神経外科医としての寿命を延ばすために、手術で使用する道具にもこだわっているといいます。ある時、福島先生は「自分は緊張しても手が震えない体質」だと気が付いたそうです。脳神経外科の手術というのは、顕微鏡を使いながら微細な範囲で作業するため、「震えない」というのは大きな強みです。そうした自分の強みを年を取ってからも継続していけるようにするため、顕微鏡、メス、照明など、自分に合った使いやすい道具を開発して、セッティングしているというのです。
福島先生は、「ゴルフでは全部で14本のクラブを使うでしょう? 手術も同じで、14本は自分で気に入った道具を選ばないとダメなんですよ」とおっしゃっていました。次回、詳しくお話ししましょう。