【変形性膝関節症】60歳なのに杖なしで歩けなくなった女性
厚労省の統計(2007年)によると、同疾患の「自覚症状を有する患者数」は約1000万人。潜在的患者数はざっと3000万人とも推定される。男女の比率は1対4と女性に多い。
この病気の問題は両膝の痛みばかりではない。高橋さんは親族の法事では正座が難しくなり、いつも横座り。それでも、立ち上がるときに激痛が走る。
これまでは「鎮痛薬」「湿布薬」「サポーター」など、対症療法でごまかしてきた。しかし、症状は加齢と共に悪化する一方だ。
■階段も幼児のようにハイハイで上り下り
50歳を過ぎると、自宅から最寄り駅までの片道2キロが満足に歩けなくなった。途中で2、3回立ち止まり、膝をさすりながらため息をつく。
60歳になると、自宅の階段が上れなくなる。昔は洗濯カゴを抱えてトントンと上っていたのに、いまは階段に両手をついて上り、下りるときは同じ姿勢で後ろ向きという情けなさ。まるで幼児のハイハイ状態である。
両脚もいつの間にかO形に変形し、玄関先にある郵便受けに行くのもおっくうになってしまう。
まだ60歳を越えたばかりで少し恥ずかしいが、外を歩くときは、ホームセンターで買い求めた1980円の杖に頼るようになっていた。