春は上がりやすい血糖値 原因と対策法を専門医が解説
「慢性的なストレスが糖尿病の発症に関わっているのではないかという研究が発表されています。ストレスを受けると交感神経が優位になり、アドレナリンが分泌されるなどしてインスリンの拮抗物質が出てきます。そのためインスリンの効きが悪くなり、血糖値を上昇させてしまうのです」
一過性の急性ストレスであればそれほど心配ないが、慢性的に引きずってしまう場合は要注意。何も用事がないときは、さっさと帰宅して早く寝るようにするなど、自分なりのストレス解消法を考えよう。
花粉症も血糖値を上げやすくする。花粉症によるアレルギー症状によってストレスホルモンが分泌され、炎症性サイトカインが増えると血糖値が上がりやすくなるのだ。
「さらに、花粉症の症状を抑えるための抗アレルギー薬の多くには、血糖値を上げる成分が入っています。たとえば、鼻詰まりを抑える薬に含まれている塩酸プソイドエフェドリン、硫酸プソイドエフェドリンなどは、交感神経刺激作用があるためインスリンの効きが悪くなり、血糖値を上げてしまうのです」
春先は血糖値を上昇させる環境や要因が揃っている。自分でも気づかないうちに高血糖状態が続いていたなんてケースもある。しっかり意識して、対策を講じたい。