「病院死」と「自然死」は何が違うのか?

公開日: 更新日:

「よく、“人は死ぬときは猛烈に痛いのでしょうか”と聞かれます。しかし、高齢者は若い人ほど痛みを感じないと思います。実際、あるお年寄りはグループホームの人たちの前でカラオケを歌い、着席してしばらくして亡くなりました。おそらくは心筋梗塞でしょう。若い人なら猛烈な痛みを感じるはずですが、この方は痛みを訴えることはなかったそうです」

 これは特別な例ではない。ある高齢女性が、徐々に弱体化してきたので、血液検査を行った。検査を終えてひと息ついていたところ、静かに息を引き取ったという。

「その後、亡くなった方の血液検査のデータを見たのですが、何の異常もありませんでした。採血前のバイタルサインも正常です。つまり、致命的な病気はなく、単に細胞が活動を終え、臓器が機能しなくなって亡くなる人もいるのです」

 ならば、病院で亡くなるより自宅や介護施設で死ぬ方がいいのか?

「一概には言えません。それはその人の考え方次第であり、答えはありません。国家が介入して、“こちらが正解だ”というべきものでもありません。まだ50代で子供が小さければ、家族のためにも病院で死ぬまで助かるために戦うべきでしょう。しかし、『十分生きて責任を果たした』という高齢者は、自宅や介護施設での自然死の方がいいかもしれません」

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」