クレプトマニア、認知症…万引を繰り返す「病気」がある

公開日: 更新日:

「前頭側頭型認知症であれば責任能力がないとみなされ、執行猶予判決になることもあります。当初はクレプトマニアだと思っていた人が、1審で争っているうち、話が噛み合わないことや感情のコントロールができなくなることが多々見られ、脳画像検査の結果、前頭側頭型認知症が判明したケースもあります」

 クレプトマニアにしても前頭側頭型認知症にしても、生活の中で注意深く接していないと分かりづらい。同居している家族ですら、気づきにくい。窃盗で繰り返し刑罰を受けている人の中には、クレプトマニアや前頭側頭型認知症がかなりの数、含まれているのではないかとの指摘もある。

「クレプトマニアの場合、環境が変わって病的な窃盗行動がいったん収まるかもしれません。しかしまた再発(リラプス)する可能性は高く、再び短いスパンで繰り返す。専門医療機関によるクレプトマニアの治療が不可欠です」

 前頭側頭型認知症は脳の変性が原因で、自然に治るものではない。やはり、生活支援を中心とした治療が必要だ。

 なお、未成年の頃から窃盗を繰り返す場合は、自閉症スペクトラム障害や摂食障害など別の原因も考えられる。

 万引は犯罪だ。病気だから許されるということではなく、病気が隠れているケースを見逃さず、その場合はきちんとした治療を受けることが大切なのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで