著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

選択と集中…東京・多摩地区の総合病院の「静かな戦い」

公開日: 更新日:

 武蔵野赤十字は2010年には、消化器でトップに立っていました。しかし、2015年までに100件以上も減らしています。それに対して他の3病院はいずれも700件前後も増やしました。ただ、循環器では武蔵野赤十字が大きく伸ばしており、ライバルたちを引き離しつつあります。カテーテルを使った治療を得意としています。また乳房では多摩総合が2倍以上の躍進を見せて、杏林からトップを奪取しました。とくに部分切除の件数では、東京都の4位に食い込む健闘を見せています。

 もっとも特徴的なのは眼科です。目の手術の代表は白内障の眼内レンズ挿入術。硝子体手術も増えています。糖尿病の合併症である黄斑症や増殖性網膜症の治療として行われます。

 杏林は以前から眼科が強かったのですが、平成11年に「アイセンター」を設置し、独走態勢を固めることに成功しました。比較的もうかる分野であるため、慈恵会第三病院も追随しています。その点、やはり民間病院のほうが動きが機敏です。一方、武蔵野赤十字は件数を大幅に減らしており、眼科手術からは事実上撤退しつつあるようです。

 病院といえども商売。周囲との競争により、絶えず変化しているわけです。

【連載】決算書でわかる有名病院のフトコロ事情

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで