著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療と仕事の両立<2> 困ったら拠点病院と産保センターへ

公開日: 更新日:

 女性の社会進出と定年延長は時代の流れです。サラリーマン世帯は、3組に2組が共働きで、25~54歳の女性は平均就業率が69%に上昇。65歳以上の男性は、3割が仕事の継続を望んでいます。そんな2つの要素が、現役世代のがんと密接にかかわっていることをご存じでしょうか。

 女性の場合、乳がんは40代、子宮頚がんは30代に発症のピークがあり、若い世代にまれではありません。がん全体でも54歳までは男性より女性が多いのが特徴です。

 乳がんで亡くなった小林麻央さんは、いろいろな場面で大きな影響を与えました。女性の社会進出が増えることは、あのようなことが職場や家庭とも密接に結びつくことを物語っているということです。

 男性は55歳ぐらいでがんが増えます。年金財政などと絡んで定年は60歳から65歳に延長されますが、そうなると男性も現役世代でがんを発症する人が増えるのです。

 男性の場合、39歳までにがんになる確率は0.9%に過ぎません。しかし、49歳で2.4%、59歳で7.7%と年齢が上がるにつれて上昇。60歳を越えると振れ幅が大きくなり、69歳で2割、79歳では4割近くが何らかのがんになります。全年齢を合わせると、6割に上るのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ