精巣がん<2>「全身に転移しています」摘出後に衝撃の告知
42歳のとき、「東京慈恵会医科大学付属病院・泌尿器科」(東京・港区)で、ステージⅢbという末期「精巣がん」の手術を受けるとき、大久保淳一さん(53歳=同区在住)は、担当医から、「術後は入院1カ月ぐらいで退院できて、会社(ゴールドマン・サックス証券)に戻れますからね」と、明るい声で説明された。
20、30代に多い「精巣がん」は、米国のプロロードレーサー、ランス・アームストロング(1971年~)も治療の経験者である。
大久保さんはがんに侵された片方の睾丸を全摘出した。手術後3日目、担当医からこう告知される。
「がんは腸、肺、首の各リンパ節など全身に転移しています。長い治療になりますから……」
ショックは大きかったが、夫人が一言こう励ましてくれた。
「あなたなら何とかなるでしょう!」――。
翌日から、壮絶な化学療法が開始された。
点滴で3種類の抗がん剤を挿入(多剤併用化学療法)した。しかし、その副作用が半端ではない。