著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

飲むタイミングによって副作用が出やすくなる薬がある

公開日: 更新日:

 薬の副作用が表れる原因のひとつに「用量」が挙げられます。たくさん使いすぎ(飲みすぎ)てしまうと副作用が出るということです。逆に少なければ効かないわけですから、「決められた量=用量」を適切に使う必要があるというのは言うまでもありません。

 用量と同じくらい大切なのが「用法」です。毎食後や寝る前、中には食直前や食直後といった「いつ使うか」「1日何回使うか」を示したものが用法に当たります。こちらも、きちんと守る必要があります。用法を守らないことで副作用が起こってしまう薬もあるからです。

 その代表例として「ステロイド薬」が挙げられます。ステロイドの内服や注射は、基本的には「朝」に使います(塗り薬は別です)。ステロイドはもともと、コルチゾールという成分として体内に存在しています。コルチゾールの体内の量は朝に多く、夜には少なくなります。日内変動があるのです。コルチゾールは睡眠の妨げになるため、夜は自然に体内の量が少なくなり、眠りやすくしているわけです。

 そのため、コルチゾールと同様の働きをするステロイド薬を夜に飲んでしまうと、目がさえて不眠になる=不眠の副作用が出る可能性があります。ステロイド薬が「1日2回、朝・昼」で処方されていたとしても間違いではなく、「不眠防止」という意図があってのことです。心配はいりません。逆に「夜」も飲むようになっている場合は、一度、医師または薬剤師に確認した方がよいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド